祖父は市営団地に住んでいました。病気で亡くなり、祖母も体調を崩し、老人ホームに入ることになりました。祖父母の団地には、長く住んでいた、25年分の荷物の山がありました。洗濯機や、タンス、古い型のブラウン管テレビなど、邪魔になってしまうものも多く、なんでも屋さんに頼んで、部屋にあるものを全て運んで捨ててもらいました。遺品整理士の資格を持つプロ3人ほどのスタッフさんで、トラックに運びこんで頂き、引っ越しをするような手間をかけて運び出して頂きました。値段は30万円ほどになりました。粗大ごみも捨ててもらいましたし、手間と時間もかかったので仕方がないという気持ちですが、正直痛い出費でした。祖父母が体調を崩しでから、それほど時間がたっているわけでもなく、次々と訪れる様々なことに対処するのが手一杯で、団地の退去期限などもあり、高い値段は払ったものの、なんでも屋さんには感謝しています。母親がちょこちょことなんでも屋さんを使うので、家族の間でもあの予算は納得だったのだと思います。
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子供のいない叔父夫婦の遺品整理
私の父方の叔父夫婦には子供がいませんでした。
叔父たちは元気な時は大変きちんとしていたのですが、最後のほうは認知症気味で、物の整理が追い付いていない状況だったようです。
叔母に続いて叔父も亡くなり、空き家となった家を父母と私と弟で片づけることになりました。
そして、遺品整理の日。
まずは明らかなゴミを集め、そのあと、使えそうなものを見つけ出しました。贈答品や時計が一つ二つなどです。でも、使えそうなものはそれだけでした。リサイクル業者に出すほどの量もありません。
服や日用品、趣味の物、アルバム類、すべてはゴミとなりました。
私は様々な紙類を整理していたのですが、手紙やハガキがたくさん出てきました。読む気はなかったのですが、文字がなんとなく目に入ってきてしまいます。手紙というのは個人のプライバシーそのものです。それが、それほど関係の濃くない私の目にとまってしまっていることが、とても悲しいことのように感じました。自分だったら見られたくないと思いました。
叔父が戦時中にシベリアにいた時のことを書いた自分史のような原稿用紙などもありましたが、それも結局は捨てることになりました。その人にとっては大事な歴史も他の人にとってはゴミとなってしまうのです。
人が死ぬと、こういうことが起こってしまう可能性があるんだということを、実感として感じた初めての出来事でした。
今は断捨離ブームです。老前整理などという言葉もよく聞きます。
子供がいる人の場合は大体は子供が遺品整理、片付けをすることになりますが、子供にも見られたくない、自分の中だけにとどめておきたいものもあるでしょう。子供の有無にかかわらず、自分の物の後始末は先送りせず、とにかく始めることが肝心だと思います。
この遺品整理をきっかけに、体も頭もしっかり動く40代、50代のうちに自分の身の回りの物を断捨離し、本当に必要なものを大事にすることが重要だと心から実感しています。
遺品整理の際、リサイクルショップをうまく活用しましょう
亡くなった曽祖父は外に出る仕事が多く、大量のスーツを持っていました。
遺品整理の際、そのスーツがクローゼットの一角を占有していました。
ただ、小柄だったのでサイズでいえば男性もののS、オーダーで仕立ててもらったようなものばかりです。家族の男性で着られるサイズではなく、デザインも古かったりしてどうにもなりません。
ただ、ものは良いので安易に捨てるのも憚られました。
まず、よく着ていたお気に入りと思われるものを1着だけ残しました。
全部手放してしまうのもなんだか申し訳なくて、遺影代わりのような感じです。
サイズ的に、着られる人がいないため、誰かにあげることもできませんし、何かにリメイクするというスキルのある人間もいないので、着古して生地が変色したりよれていたりするものは捨てました。
残りはリサイクルショップへと持ち込みました。しっかりしていて捨てるにはもったいないものもあったので、同じようなサイズの人がいて、誰かの役に立ってくれれば良いと思います。
遺品整理をする際は目一杯ものがあり、しかもそれごすぐには使えないもの。こういったものは思わず全部ゴミ袋に詰め込んで捨てたくなりますが、どこかで誰かの役に立つかも、の気持ちでリサイクルショップに持って行くと少し気持ちが楽です。