もう勘弁してください!

叔母が亡くなったときのことです。叔母は企業経営者の妻で、かなり裕福な生活をしていました。海外旅行によく行っていたし、日本画や水彩画の趣味がありました。亡くなったときの遺品整理はお嫁さんが旦那さんとやっていましたが、あまりにもたくさんの遺品にけっこう困っている様子でした。亡くなって少しした頃に仏壇のお参りに行くと、「形見分けだから」と海外旅行みやげの置物などをいくつかいただきました。その後、行く度に形見分けという名の遺品整理の処分に協力させられ、この前いただいたからとお断りしても無理矢理持って帰らされるようになりました。

 

何十年も前の社交ダンスパーティー用ドレスを「とても高価なのよ」と押し付けるように渡され、ちょっと困るなぁと思い始めたある日、自宅に電話がきて、和ダンスや鏡をもらってくれと言われ、さすがに大きいもので必要ないからいらないとはっきり伝えました。しかし相当困っているらしく、かなり強引に頼まれて、とうとう引き受けることにしてしまいました。

 

遺品整理って本当に大変なんだなぁと同情する気持ちと、ゴリゴリ押し付けられて辟易する気持ちが入り混じり、あーもう疲れちゃったと思っていたところへ、駄目押しのようにお嫁さんから託されたものが…。それは私が叔母宛に出した、年賀状の束でした!幾ら何でもここまで?!と、申し訳ないけど呆れてしまいました。年賀状を処分できないほど、亡き叔母の御霊に恨まれるのが怖かったのでしょうか…。自分が出した年賀状を受け取り、私は即日処分しました。つくづく実感したのは「身軽が一番」です。