物造りが大好きだった祖父の道具

私の祖父は10年前に亡くなりました。

2年前に私の家は古いため、家全体をリフォームすることになり引っ越すことが決まりました。引っ越すために家中を大掃除しないといけなくなり、不要品の処分に苦労しました。その中でも1番困ったものが祖父の物造りのための道具です。

使えるものがたくさんあったのですが、私たち素人にはわからないほど似たものが多くて、捨てていいのか迷ってしまいました。

父は祖父と違いあまり物造りをしないので絶対に要らないものなんですが、やはり祖父が大事にしてたのでとっておきたいと強く思いました。しかし祖母がこんなの残してても意味ないと言って捨てることになりました。

いざ捨てるとなると祖母も懐かしいのか、これで棚を作ってたな、こんな昔のもあるのかと微笑みながら整理してました。見てる私が悲しくなり、そんなに思い出があるなら捨てなくてもいいのに、と言ってしまいました。

祖母はその言葉に思い出は心に閉まってるから大丈夫。それに新しい家になるんだから色々吹っ切らないと、と少し寂しそうな顔をして笑ってました。全て捨て終わると祖父の仏壇に色々捨てたよ、ごめんねって言っててやはり私は悲しくなりました。遺品の処分はこんなにも悲しいものなのかと痛感した経験です。